高齢者が安心して暮らせる社会をめざして。

一人暮らしの高齢者を取り巻く現状

日本の高齢化率は、年々増加の一途にあります。そして、高齢者だけの世帯や、一人暮らしの高齢者の割合も増えています。2015年には、65歳以上の一人暮らし人口は男性が約13%、女性が約20%に上りました。自分で何でもできる元気な高齢者であれば、一人暮らしも支障ないと感じるかもしれませんが、実はその一方で多くの課題もあると言われています。

例えば、家族や友人との交流が少ない高齢者の場合は、生きがいや楽しみを感じる機会がぐっと減り、生活意欲が低下するというデータがあります。他にも、消費者被害の相談件数が多いのも高齢者です。年齢を重ねるにつれ判断能力が低下していくため、振り込め詐欺や悪質な訪問販売などに騙されやすくなります。

また、認知症が増加傾向にあることも問題視されています。解決策としては家族との同居が理想ですが、経済的な理由や仕事の都合などから、同居が難しい人も少なくありません。しかも、今の家が手狭な場合は広い家を用意する必要がありますし、遠方に住んでいる場合はどちらかが引っ越すことになります。

そこで今注目されているのが、高齢者の見守りのサービスです。各自治体では、安否確認や緊急通報システムの設置、外出支援などを行っています。また、訪問介護サービスを利用するという方法もニーズが増しています。住み慣れた自宅で介護サービスを受けながら自立した生活を送りたいと願う高齢者は少なくないので、これらのサービスへの期待は今後も高まるでしょう。